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今回は、構造用合板を使ってのキッチン制作です。
最近では本棚や下駄箱等で、よく使われるようになってきた素材です。
キッチンの制作には興味がありましたが、さすがに木目が荒々しく、二の足を踏んでいるデザイナーが多く、そういう依頼自体がありません。
個人的には、すごく創ってみたかったので、念願かなったというところですか。


システムキッチンと言えど、本来は比較的小さな家具の集合体です。このブログで詳細を明らかに。
パズル気分で、写真の部位を眺めてみましょう。

全体図右奥の引き出しです。

その横のオープン収納部です。わかるかな?(笑)

キッチンの各収納

手前の収納です。

開いたところです。テーブル側とキッチン側、両方から使えます。
中間の棚は上下移動できます。

奥側の収納です。
手作り感たっぷりの包丁刺しつき。

左一番奥の斜めの部分です。

こんな風に開きます。

気を付けるところは、水槽部やガス台の入る位置、食器洗浄機の位置と、それらの凸部(引手ハンドル等)が、当たらずに正常に使用できるかってとこですかね。
実際の話、最後の仕上げで現場へ行くと、食洗器とガス台が取り付けられていて、納得の出来栄えだったのですが、食洗器の化粧扉を取り付けるときに開けてみると、ガス台のレバーにあたって開けられないという緊急事態に。
何とか改良して難を逃れましたが、各設備品メーカーも詳細な寸法表記をネットででも公開してほしいものですね。
レバーの凸部や、スライドがどこまで出てくるとか、イマイチ不親切ですね。

1Fの居間が白アリに荒らされてから約2か月。
仕事も落ち着いたので、ようやくリフォームに取り掛かる。

まずは、タバコのヤニで茶色に変色していたクロスを貼りかえる。
コーナンで糊付の物を買ってきたが、台紙がふやけすぎていて、上手く切るのに一苦労。
結構難しいものだ。

建具は既存の物に上からメラミンを貼る。
もちろん、余っていた柄です(^^;)

床には畳の代わりに、フロアマットを敷き詰めました。
これなら汚れたら洗えるし、飽きたら敷きかえることも容易です。
角にはシナベニヤで作ったミニクロゼットを設置しました。
さて、これから遊び心・爆発です。


本やCD類が結構あったので、それなりの収納を考えてましたが、部屋も狭いので圧迫感があるのは…
で、思いついたのは、この方法。
適当じゃないですよ。
きっちり図面に書いて、レイアウトを考えました。
誰のために?

はい、猫のマロン君の遊び場です。

縦横無尽に遊んでます。



遊び心というか、そこそこ収納力があって、圧迫感が無いのが大正解でした。
とにかく、あんまりお金をかけたくなかったし、材料も余り物で事足りたのが、最大のメリットかな(^^)v

今回の依頼は、新聞屋さんの紙分け台。
折り込み広告を挟んで配達地域別に積み上げていく。
昼間は大して使わないけど、毎朝に結構な面積がいる。
逆に、毎朝稼働している折り込み広告用の機械。
昼間は真ん中に置くと邪魔で仕方ない。
と言うことで、天板を折り畳み式に制作する。
問題は重量。相当重いものが乗せられる。


天板の折り曲げ部分は頑丈な丁番でOKだが、問題は支え方。
出来れば脚のようなもので床と設置しているものが望ましいけど、
その脚の置き場所が別に必要になる。

で、考え付いたのがキャスター。
巾木の部分と天板の真下は、まず使わない空洞となっている。
そこへ脚部分をすべり込ませてみた。


これで強度も心配ないし、意外と出し入れの手間もかからない。
で、こんな感じに収まった。


この新聞屋さんの店舗からの制作依頼も、めっぽう減ってしまった。
やはり、ネット社会での新聞離れは、かなりの打撃のようだ。
思えば、新聞店舗とのご縁は、神戸の震災から。
なんでも100件近くの販売店が震災の影響を受けて、崩壊したそうな。
本格的に現地に赴いたのは、震災後約1年だった。
当時、飯を食うところも復旧できていなかったが、建築現場と思われる場所には、お弁当の販売カーがやってきて、比較的低価格で販売されていたので、まったく困らなかった。
焼失した商店街にも、プレハブやコンテナの店舗が営業されていて、お世辞にも綺麗ではなかったが、復興の意気込みというか、意欲というか、バンバン伝わってきて、現場へ行くたびに元気をもらって帰ってきたことが記憶に残っている。
東北も、早く復興すればいいな。


私の入門している合氣道、中今塾より依頼を受けて、収納式の畳を制作してみました。
当初はクッションマットの類を検討していたのですが、値段も結構する割には、投げられた時の打感吸収力に欠け、思い切って合氣道ができないと悩まれていた塾長を見て、今までのノウハウを生かして、興味本位と、やってみなければ気が済まない困った性格も便乗して、材料代だけで制作を請け負いました。
これが後に、とんでもなく厄介な状態に追い込まれていきます。


どうすれば動かないか。
思考を繰り返す。
動かず、それでいて短時間で設置できる策は?
結論として、畳を組み合わせて100枚を1枚とすれば、畳は動かない。
さて、組手はどうする?
素人でも簡単に組み込める方法。
クッションマットの接合方法をヒントに、裏にベニヤ板をパズル状に成形してみた。
実際には組み合わされた部位は、接触接合することは無いように、隙間を設けたが、ただ、正確に畳を置くこと自体が素人さんには難解だったようだ。
組み込む必要が無いはずのベニヤの部分を組み込みながら敷いていく始末、
当然ベニヤ板には、それに耐えうる強度が無かったので、徐々に破損していく。
開設2カ月にして、動きまくる畳と変貌してしまった。


当初の稽古風景。
飛んでも跳ねてもビリッとも動かなかったのに・・・(涙)


とりあえず、この第一号試作品をトラちゃん1号と命名しておこう。


試行錯誤。
まずは図面にて思考に入る。
100枚を1枚に。
強度と耐久性。
まずはじめに浮かんだのが、2枚のパーツをずらせて組み上げる。
収納の際も省スペーステで済むものの、敷くときの手間がハンパない。
更に思考を繰り返す。


裏のベニヤ板の形状を考える。
衝撃を吸収する組み込み部が少々軟弱な気がするが、敷いてしまえば力は分散し、十分に耐えうると判断し、このアイデアで制作を開始。


全体の構図はこうなります。
前の写真は、この形状で仕上がってます。

しかしながら、若干心配だった部位が、いとも簡単に破損。
トラちゃん1号、敢え無くご臨終です(泣)


はてさてどうしたものか?
止まらなくなった畳では危険でしょうがない。
枠で固めてみるか。
と、言うことで考えてみる。
ダボとスレ桟で固定を試みて、三国ヶ丘道場にて、テストしてみる。
結果は惨敗(泣)

心配していたものの、ここまでジョイント部が脆いとは想定外だった。
それに、収納の場所が足りないことに気付く。


続いて試作したのは、ジョイント部のみの固定をあきらめ、枠同士を引っ張り合わせて動かない状況にしたのち、中に畳を敷くという方法だ。
10メートルの薄い布を6本用意した。
これは、畳になるレザーを貼ってくれた椅子屋さんから好意でいただいた。


枠のジョイントは、アングル金物を切断して加工を加えて制作、出来るだけ外側に広がらないように工夫した。
これで、かろうじて止まると思っていたが甘かった。


少しでも強度が増すと思い、残してあった裏のジョイント用の4ミリベニヤ板、形状が邪魔になって、隙間が空いたらその状態で動かなくなり非常に危険。
その日は、稽古にはならず、迷惑をおかけした。
次週に裏のベニヤ板を取り外す。
これは、元々耐久性に疑問があったため、取り外してメンテナンスができるように、ビスで固定してあったので、道友ニ手伝ってもらって、比較的楽に取り外せた。


枠材の強度には気を配ったが、やはり中央に引っ張る力が、布では弱すぎた。

後日、道友のアドバイスもあり、布の代わりに荷造り用のラチェットバンドで引っ張ってみると、何とか止まった。
とりあえず、トラちゃん2号かな。


しかしながら、どうもしっくりこない。
外側に掛る力を外側から内側に押込めている作用は、合氣道では避けるべき、力と力の激突であり、どこかに集中して力が掛る状況であることに懸念した。
裏に滑らないシートを貼るという提案もあったが、耐久性と、外側がやはり弱い。
思索は暗礁に乗り上げたまま、出口が見つからず、稽古に通っていても、何となく未完成品を提供していることの後ろめたさが拭えなかった。
取り外したベニヤの分の弾力性もマイナスとなり、投げ技を受けたときに痛いという声も上がってきた。
とりあえず、裏のベニヤをもう一度貼ることを考えている時に、名案が浮かび上がってきた。


接合部はとにかく強度と、若干の雑な扱いにも耐えられるように、金物が望ましい。
この金物は、アルミの柱巻という金物を流用したもので、既製品を80分割にカットした。
工場がアルミの切りくずだらけになった(涙)


一枚の畳に4か所の接合用金物をビスで固定する。
一枚の金物に穴が2か所。平らに収めるために、皿をつける。
一枚につき4回のドリル作業。
畳一枚に金物4枚×金物一枚に4回のドリル作業×100枚。
1600回の地道な作業となった。


金物の受け座部分。
アルミのフラットバーを細かく切断し、これまた穴あけ作業。
実に接合用のアルミ板の倍、ドリル作業が必要で、なんと、3200工程(汗)


床に当たると傷がつくので、金物の裏にゴムのシートを貼る。
受け座の切り込みが、やりやすいので持ち帰ったベニヤ板を4分割する。
畳の動きはピッタリと止まって、トラちゃん3号の出来上がりです。


収納用のコンテナに収めると、金物が飛び出しているので、箱をかぶす。
まぁ、なんとも手間が掛かりました。
しかし、なんとなく需要が見込めそうな気がするこの代物です。
市販の組み込み式マットは、厚みが薄いので、柔道の投げ技の際に痛い。
しかし、この簡易性の畳は衝撃の吸収性にも優れ、投げ技のある武道にはもってこいだろう。
収納も省スペースで済むし、あと、もう少し安全な接合部材と、軽量化を考えれば、商品として成立すると思う。
ノウハウは、ほぼ完全に出来上がったので、大手メーカーさんが制作してくれませんかね。
私が作るよりは、コストを十分に抑えられるだろうし。
技術協力は惜しみませんよ。

ワゴン
産婦人科の食事を運ぶワゴンです。
使わない時には、省スペースで置いておきたい。
そんな依頼で制作しました。


ワゴン
天板となる部分には、ミシン蝶番を使用して、折りたためるようにしました。
この蝶番の特徴として、掘り込みは厄介ですが、フラットに収まります。


ワゴン
折りたたんで、約半分のスペースに収まるようになりました。

既製品でも、もっとコンパクトになる物がありますが、思うような大きさのものがなく、別注ということになったそうです。

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