一枚の図面を囲んで、緊張しながら打ち合わせを行う。コラボ自体は良くあることだが、今回要求されるのは"精度"。
メートルと言う単位を超える逸品だが、要求される単位は"ミリ"。
各業者、ワガママな都合での変更は1ミリたりとも許されない。とは言え、やはり多少の不都合は出てしまう。お互いがカバーし合い、完成と言う頂上をを目指す。
冷や汗半分、しかしながら施工当日は笑顔で仕事が出来た。


当初は、情報伝達がうまくいかず、設計の段階では、お互いに無駄な作業も多かった。軸となる図面も無く、誰もがしっかりとした形を理解できない。数回の打ち合わせを重ね、お互の形が見えてくる。
各々の形を理解し、自分が作るべき形が固まっていく。


最終段階の組み上げ作業時には、図面を見る必要は無かった。と言うか、完全に頭の中に入っていた。作業工程を見ながら、打ち合わせ時と狂いが無いことを確信していく。作業の順番が回ってくる。多少の誤差はあったものの、想定の範囲内だ。「いける」作業が進むにつれ、願望は確信へと変わっていく。何とも嬉しい瞬間だった。