先日、就職活動の若者が我が工房を訪れた。大学を卒業したが、就職氷河期の影響をもろに受けている。
こう不景気だと、こちらにしても雇うことは出来ない。業界事情だけでも聞きたいと言う事だったので、「見学がてら、遊びにおいで」と気軽に声をかけた。
しかし、時代も変わったものだ。うちの若手職人もそうだったが、大学を卒業して、物を創る仕事がしたいと工房を訪れた。
一昔前までは中学卒業後、職業訓練校を経て職人の門をたたく。聞こえは良いが、気の荒い、ルーキーズのような面々が多かった。勉強が嫌いで、鼻っ柱だけはやたら強くて、まずは、その鼻っ柱を叩き潰されることから職人修行が始まったものだ。解り易い業界で、仕事が出来て何ぼの世界。
安月給は当たり前、しかし、仕事が出来るようになってくれば、給料のUP率も高く、それだけに真剣に技術の向上に努められた。しかしながら最近の職人事情は非常に厳しい。未来の希望も薄くなった。これからの若者にとって、大変な時代が到来したものだと思う。